地代値上げについて!
地代の値上げについて現在多くの質問を受けています。その中で私が質問者の多くの方に感じることですが、「地代を値上げすることは極めて困難…」と言う固定観念に必要以上に強く縛られているように見えます。確かに地代を値上げすることは簡単なことではありません。しかし、一定のルールに基づき段階的に地代を値上げして行くことは可能です。その方法については私の書籍や、過去のコラムにも記載しておりますが、復習を兼ね今回から「地代値上げ」について解説をしていきます。
まず地代値上げが必要となる原因の一つに固定資産税の増税があげられます。都心部においては地価高騰を受け今後も固定資産税の増税がほぼ確実視されています。従って、今後地主として定期的な地代値上げが必要となることは必至です。
では、どのタイミングで地代を値上げを借地人に申し入れるのが適切か説明致します。
本来、固定資産税は3年ごとの見直しで税額が変わりますが、増税幅が大きいと徴収機関は年間納税額の負担調整を行うことで、毎年少しずつ増税する方法が取られています。
では、毎年少しずつ上がる税額に対し、毎年地代を値上げしても良いのでしょうか?
実務的には年間の負担調整額が高額でない限り、毎年地代を値上げするということはあまり行いませんが、判例では地代増減請求に一定期間の経過は理由にならないと判示ております。(以下、判例参照。)
「賃料増減請求と一定期間の経過」最高裁判所平成3年11月29日判例。
「…現行の賃料が定められた時から一定の期間を経過しているか否かは、賃料が不相当となったか否かを判断する一つの事情にすぎない。従って、現行の賃料が定められた時から一定の期間を経過していないことを理由として、その間に賃料が不相当となっているにもかかわらず、賃料の増減請求を否定することは、同条(法)の趣旨に反するものといわなければならない。」
つまり値上げに限って解釈すると、「例えば昨年度に値上げした地代でも、今年度も固定資産税の増税があれば、その増税額に相応しい地代に再度値上げすることは法律の趣旨に反するものではない。」という意味になります。判例的には条件が整えば毎年値上げしても合法といえますが、円満な契約関係を維持するためにも、実務的にはやはり(単年度の増税幅が大きくない限り!)3年毎に行われる固定資産税評価替え年度に合わせ、借地人に対し値上げの申し入れを行う事をお勧め致します。
次回は、地代改定の法的根拠について復習いたします。
2026年2月27日
« 前の記事へ