適正地代査定方法5
⑶スライド法
スライド法では先ず、直近合意時点(現在の地代を合意した時点(年度))から価格時点(現在の地代を改定をする時点(年度)、つまり現時点を指します。)までの変動率を算出します。
スライド法における変動率の計算式は次の通りです。
「変動率(%)=①価格時点の必要経費÷➁直近合意時点の必要経費×100」
①価格時点の必要経費とは、地代改定をする時点(年度)の主に固定資産税・都市計画税の合計額です。また、必要に応じて年間の維持費、管理費(管理委託している場合)等も加算します。
➁直近合意時点の必要経費とは、現在の地代を合意した時点(年度)の主に固定資産税・都市計画税の合計額です。また、必要に応じて年間の維持費、管理費(管理委託している場合)等も加算します。
※スライド法における変動率について、不動産鑑定評価基準に関する実務指針には「直近合意時点から価格時点までの間における経済情勢等の変化に即応する変動分を表すものであり、継続賃料固有の価格形成要因に留意しつつ、土地及び建物価格の変動、物価変動、所得水準の変動等を示す各種指数や整備された不動産インデックス等を総合的に勘案して求めるものとする。」と記されています。本書で行う適正地代の査定は直近合意時点から価格時点までの間における主に必要経費の変動を注視し行っております。中でも固定資産税・都市計画税の変動は地代改定の重要な原因と考えており、何より司法の場においても同様に考えられている面があると理解しています。
※適正地代の査定は不動産鑑定評価ではありません。査定は原則として主観的な値は持ち込まず公的な値を使用して求めて行くことが重要と考えております。
次に、スライド法における月額適正地代を算出します。
計算式は次の通りです。
「月額適正地代=((①直近合意時点の年間地代-➁直近合意時点の必要経費)×➂変動率+④価格時点の必要経費)÷12ヶ月」
①直近合意時点の年間地代とは、現在約定されている月額地代×12ヶ月です。
➁直近合意時点の必要経費とは、現在の地代を合意した時点(年度)の主に固定資産税・都市計画税の合計額です。また、必要に応じて年間の維持費、管理費(管理委託している場合)等も加算します。
➂変動率とは、先に求めた値を指します。
④価格時点の必要経費とは、地代改定をする時点(年度)の主に固定資産税・都市計画税の合計額です。また、必要に応じて年間の維持費、管理費(管理委託している場合)等も加算します。
※スライド法における計算結果は、裁判所も注視する傾向にあるようです。
次回は「賃貸事例比較法」について説明致します。
2026年6月12日