更新料について7
前回の続きとして、地主が最大限譲歩しても更新料支払いに関する合意ができない場合について説明します。
説明を尽くしても、最大限譲歩しても借地人と折り合いがつかない場合、無理に進めることはありません。この場合、敢えて契約書は取り交わさず、法定更新の状態にしておきましょう。(更新料支払いに関する合意を頂けず、更新契約書も作成できず、借地人は建物の敷地として土地の利用を継続する場合、法定更新となります。)
借地借家法第5条(借地契約の更新請求等)
借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りではない。
2 借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、前項と同様とする。
3 転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする土地の使用の継続を借地権者がする土地の使用の継続とみなして、借地権者と借地権設定者との間について前項の規定を適用する。
話し合いが纏まらない場合でも、地主として借地人に更新料支払いに関する交渉を持ち掛けたという事実が後々とても重要となります。
そのため、この時の交渉記録はノートにまとめておくと良いでしょう。
後日、借地人から何かしら相談ごとを依頼されたとき、この交渉記録ノートを開き、当時のやり取りを思い起こすことができます。そして、その依頼に応える条件の一つとして、改めて借地人に対して更新料支払いに関する合意を求めましょう。
また、借地人が相談してくる内容にもよりますが、承諾料が発生する要素が含まれる場合、ある程度強気の金額を提示することを検討しても良いでしょう。 弊社では、更新料支払いに関する合意こそ円満な契約関係を維持する必須条件と考えています。これは、借地人からすると更新料の支払いをもって円満に賃貸借契約を継続する対価であり、また地主からすれば更新時に更新に関する異議申立てを放棄する対価であります。今まで曖昧であった部分を整理し当事者間で合意した内容を文書として残しておくことは将来に渡り争いを防ぐ有効な手段といえるからです。
2025年10月3日